Developer Toolkit
Developer toolkit(DTK)は、視覚障害のある開発者が、独力で見た目の良いユーザーインターフェースとwebコンテンツを作成する助けとなるNVDAアドオンです。オブジェクトをたどり、それらのサイズ、位置、特徴といった情報を得るためのジェスチャーを提供します。DTKの使用を開始するには、コントロールにフォーカスを置き、ALT+WINDOWS+Kを押します。終了するには、ALT+WINDOWS+Kをもう一度押します。webでは、NVDA+SPACEを押してNVDAをフォーカスモードにし、NVDA+SHIFT+SPACEを押して、一文字ナビゲーションを無効化します。
ショートカット
DTKが有効な時、次のショートカットが使用出来ます。
- ALT+WINDOWS+K - DTKの機能を有効化または無効化します。
- 左矢印 - 前の兄弟要素に移動します。
- 右矢印 - 次の兄弟要素に移動します。
- 上矢印 - 親要素に移動します。
- 下矢印 - 一番目の子要素に移動します。
- CTR+HOME - 一番上の親要素に移動します。
- HOME - 割り当てされている場合、相対的な親要素に移動します。
- A - webコンテンツでは、HTML属性を読み上げます。2回素早く押すとクリップボードにコピーします。
- B - オブジェクトの下端の位置を読み上げます。2回素早く押すとクリップボードにコピーします。
- Shift+B - オブジェクトの下端と、相対的な親要素の下端との距離を読み上げます。2回素早く押すとクリップボードにコピーします。
- C - オブジェクト内部の子要素の数を読み上げます。2回素早く押すとクリップボードにコピーします。
- control+c - 色の値をRGB, Hex, Nameの間で切り替えます。
- CTRL+D - 詳細のメッセージを有効または無効にします。
- F - webコンテンツにて、オブジェクトのフォントと書式の情報を読み上げます。2回素早く押すとクリップボードにコピーします。
- H - オブジェクトの高さを読み上げます。2回素早く押すとクリップボードにコピーします。
- L - オブジェクトの左端の位置を読み上げます。2回素早く押すとクリップボードにコピーします。
- n- オブジェクト名を読み上げます。2回素早く押すとクリップボードにコピーします。
- CTRL+P - オブジェクトのサイズ/位置を取得するために、相対的な親要素を設定します。
- P - 相対的な親要素の名前を読み上げます。2回素早く押すとクリップボードにコピーします。
- R - オブジェクトの右端の位置を読み上げます。2回素早く押すとクリップボードにコピーします。
- SHIFT+R - オブジェクトの右端と相対的な親要素の右端の間の距離を読み上げます。2回素早く押すとクリップボードにコピーします。
- ALT+R - オブジェクトのロール/コントロールタイプを読み上げます。2回素早く押すとクリップボードにコピーします。
- S - オブジェクトの相対的な兄弟要素の数を読み上げます。2回素早く押すとクリップボードにコピーします。
- SHIFT+S - オブジェクトのコントロール状態を読み上げます。2回素早く押すとクリップボードにコピーします。
- T - オブジェクトの上端の位置を読み上げます。2回素早く押すとクリップボードにコピーします。
- V - Developer toolkitのバージョンを読み上げます。2回素早く押すとクリップボードにコピーします。
- W - オブジェクトの幅を読み上げます。2回素早く押すとクリップボードにコピーします。
備考
- homeや、変更したバージョンのhomeキーを使用する時は、テンキーのhomeキーを使用すると、NVDAはテンキーHomeのキーの代わりにテンキー7を送るため、失敗します。テンキー7にhomeキーを割り当てようとする他のキーボードアドオンは、このアドオンでは失敗します。
相対的な親要素機能を使用する時、DTKは、相対的な親要素を、以下の条件で、デスクトップに設定します。
- フォーカスされたオブジェクトと、相対的な親要素が同じ。
- 相対的な親要素は、フォーカスされたオブジェクトの直接的な先祖ではない。
DTKは、CSS規則、パディング、ボーダー、またはz-インデックスといった要素の情報にはアクセス出来ません。そうするためには、NVDAのコンテキストの外側にアクセスする必要があり、ユーザーのセキュリティの問題が生じるからです。
認識している問題
- Developer toolkitの設定で見つかるフォント属性のカスタマイズ可能なリストは、使用しずらいものであるかもしれません。これは、NVDAのユーザーインターフェースライブラリにおいて見つかる制約です。
バージョン履歴
20.04
- 定義した相対的な親オブジェクトに移動可能なジェスチャー(home)を追加しました。
20.03
- 現在フォーカスしているオブジェクトのコントロールタイプを取得するジェスチャー(ALT+R)を追加しました。例えば、ボタン、リスト項目、リスト、チェックボックス、セクションを含みます。
- 現在フォーカスしているオブジェクトのコントロール状態を取得するジェスチャー(SHIFT+S)を追加しました。例えば、フォーカスされている、フォーカス可能、選択されている、チェックされている、押されている、読み取り専用を含みます。
- 多くのコンテキストで信頼性がないため、IAccessibleのユニークIDをサポートしなくなりました。
- バージョン番号を、xx.yyと省略形にしました。xxは、現在の年の下2桁、yyは現在の年のアップデート番号です。よって、20.03は、2020年の3番目のメジャーアップデートとなります。
2020.2
- Starting DTK retains the cursor’s current position in web content. If the object under the caret can’t gain focus, DTK will place focus on the first available ancestor.
- ユニコード文字列のレガシーなサポートをしなくなりました。
- NVDAメニュー>設定(P)>設定(S)にあるDeveloper toolkitダイアログで設定する、Developer toolkitを有効/無効にする機能を取り除きました。ユーザーは現在もalt+windows+kを押して有効/無効にすることが出来ます。
Developer toolkitが有効な時に、‘f’を押して取得する書式属性が、設定(P)>設定(S)>Developer toolkitで設定可能になりました。
- ‘新しい属性’ボタンを押して、新しい書式属性を追加します。有効な書式属性の名前を入力し、タブキーを押してそれをリストに入れ、エスケープを押してエディットモードを抜けます。
- リストで選択し、’属性を削除’ボタンを押して、属性を取り除きます。
- 属性の名前を変更します。‘属性の名前を変更’ボタンを押して、新しい名前を入力し、タブキーを押してそれをリストに入れ、エスケープを押してエディットモードを抜けます。
- 属性をリストの上に移動します。選択して、’上に移動’ボタンを押します。リストの希望の位置に着くまで、これを繰り返します。
- 属性をリストの下に移動します。選択して’下に移動’ボタンを押します。リストの希望の位置に着くまで、これを繰り返します。
書式情報を取得する時、ユーザーは、色の値が表示される方法を変更出来るようになりました。この設定は、設定(P)>設定(S)>Developer toolkitの中にあり、色の表示フォーマットを選択します。色の表示フォーマットは、Developer toolkitの機能が有効な時に、control+cを押すことでも変更出来ます。
- RGB - 赤/緑/青の値です。色を赤、緑、青の色の組み合わせで定義します。グラフィックアート、特に、webセーフカラーでない物に向いています。
- Hex - ‘#’から始まり、1-0とA-Fを含む6つの文字がその後に続く文字列です。webコンテンツに大抵向いています。
- Name - 色について人間が読める値です。一般的な目的の用途や、他の色の値のフォーマットを確認するのに向いています。
2020.1.1
- ユニコードのサポートを改善しました。
2020.1.0
- 開発者が、CTRL+pを押して、相対的な親要素を設定することにより、ユーザーインターフェースのより小さな領域にフォーカス出来るようになりました。相対的な親要素を、サイズや位置の情報を得る時に、参照点として使用します。この機能を使用するには、DTKの機能を有効にし、相対的な親要素として使用するオブジェクトに移動し、CTRL+pを押します。そして、通常の作業に戻ります。
- DTKで作業している時に、文字pを押して、相対的な親要素の名前を取得します。2回素早く押すとクリップボードにコピーします。
- SHIFT+bを使用して、フォーカスされたオブジェクトの下端と相対的な親要素の下端の間の距離を取得します。この機能を使用するには、DTKの機能が有効でないとなりません。
- SHIFT+rを使用して、フォーカスされたオブジェクトの右端と、相対的な親要素の右端の間の距離を取得します。この機能を使用するには、DTKの機能が有効でないとなりません。
- DTKが設定プロファイルの切り替えを正しく扱えるようになりました。
- add-on updaterでのバージョン番号の問題を避けるため、バージョン番号から‘-preview’を除去しました。
2020.0 プレビュー
- Python 3への切り替えの遅れを反映するため、バージョン番号を2020.0 プレビューに変更しました。
- Python 3への互換性を追加しました。
- 新しいジェスチャーを追加しました。”n”でオブジェクトの名前が読み上げられます。割り当てられていない場合、オブジェクトの名前として「なし」という言葉が読み上げられます。
- DTKは、アドオンを再読み込みした時に、NVDA設定ウィンドウの設定パネルを複製しなくなりました。
2019.1.2
- DTKは、0の時にサイズと位置を報告するようになりました。
- ナビゲーションが詳細メッセージ設定を重んじるようになりました。
- サイズ/位置情報の報告が、より簡潔になりました。
- 安定性を改善しました。
2019.1.1
- バージョン番号を通知する時、DTKが自分自身を複数回読み込まないようになりました。
- DTKの機能がインストール後に無効になりました。以前は、DTKの機能がインストール後に有効になっていました。これは、NVDAのツール>アドオンマネージャウィンドウでの、有効化または無効化とは異なります。
- ユーザーに表示されるメッセージが、非アスキー文字を含むようになりました。
- クリップボードへのコピーでa, b, c, f, h, l, r, s, t, v, やwといったジェスチャーを押しても、NVDAの読み上げを中断しないようになりました。
2019.1
- DTKが、リリースされていない、最小NVDAバージョンを宣言する互換性の問題を修正しました。
2019.0 (最初の安定版リリース)
- ベーシックナビゲーションの最初のビルド